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みんなの願いが自分の原動力!羽ばたき続けるストリートドラマー「リエイ」、「47都道府県制覇」ツアーファイナル直前インタビュー! chapter 2


― 47都道府県、全てを隈なく回るって本当に凄いですよね、あえてお聞きしますけど、その中でも特に印象に残っている場所はどちらでしょうか。

リエイ:そうですね、例えば千葉の木更津は何度も訪れていて、何度も行くぐらい本当に楽しくて。来てくださる人達のノリだったり、個性溢れる一緒に楽しんでくれる方がたくさんいて。地理的な理由というよりは、その場所でのライブの時の雰囲気が深く印象に残ります。どの場所もそうですけど、木更津は特に楽しみにしている場所ですね。

ーKayo 観に来てくださる方達が一緒に盛り上げてくれるんですね。

リエイ:そうなんです。とにかくどの曲もノリノリで(笑) 初めて会った方でも、すぐにドラムの側に来て踊ってくれるんです。木更津に限った事ではないけれど、毎回、必ず来てくれる方達もいて、ライブ中のコラボタイムでは必ず参加してくれます。その時の為に皆さんネタを考えてきてくれて。そういった出会いもストリートだからこそ実現する事だと思います。

ーKayo 本当にストリートならではですよね。そういったコミュニケーションが取れるというのは。

リエイ:そうですね。これをライブハウスでやったら何か違いますよね(笑)

ーKayo 観ているお客さん達の受け入れ方もライブハウスだとはまた違った感覚、ストリートならではなんですね。

リエイ:ストリートだからこそ受け入れていただけるのかもしれませんね。ステージが仕切られている訳ではないですし、みんなとフラットな場所でのプレイだからこそ、見に来てくださる人達にとっても敷居が低いというか。コラボしたいって言ってくれる方達も必ずしも経験豊富な方ばかりではないですし、ジャンルも様々。そういった人たちが普段、ステージに立って人前で披露するきっかけは中々ないにしても、ストリートだったら実現する、そういった部分で ”私の活動が役に立ってるんだ” そう考えると嬉しいですね。

―ネロ それはやっぱり、”もしかしたら自分も一緒に演奏していいのかも”、と思わせてくれる、リエイさんならではの魅力があってからこそ、なのかもしれませんね。

リエイ:ありがとうございます。そうだと嬉しいです。本当にそういった出会いがいつもとても楽しみで。次の場所ではいったいどんな方達と出会うのかなって。

―ネロ お客さんも一緒に楽しんでほしい、そのリエイさんの想いがそういった雰囲気を作り出しているんでしょうね。


【実現したいストリートライブの開催場所】

ーKayo 今後、実現したいストリートライブの開催場所でお聞きすると、一番はやっぱりここ、再び名古屋の噴水前でしょうか。またストリート以外でリエイさんのステージを観る事ができる機会はあるのでしょうか。

リエイ:今は基本的にはストリートでの活動を軸に考えています。でも、応援してくださる方達の中には大きなステージでリエイを観たい、という声もたくさんいただきます。そういった声に応える上でも、大きなステージに立つ事も良いのかもしれませんね。実際、楽しそうですしプレイしてみたいと自分でも思います。でも、その為にストリートをやっている訳ではないし、そういった機会が訪れれば、というお話です。

ーKayo やっぱりそういったお答えの中にも、とにかくファンの方達を大切にされてるんだな、というお気持ちがすごく伝わります。

リエイ:私が今、音楽に全て打ち込めるのはファンの方達のおかげです。みんなからの応援がなければ間違いなくここまで続けられてなかったと思います。

【色んな方とのコラボレーション、共演をどのように捉えてるのでしょう】

ーKayo リエイさんはこれまでたくさんの方とコラボされていますけど、それこそ一般の方達や、あるいは葉加瀬太郎さん、ピアニストのハラミちゃんといった、言わずと知れた有名なアーティストの方達とも。それぞれの共演についてはどのような経緯があったのでしょうか。

リエイ:ハラミちゃんと葉加瀬太郎さんについては純粋に自分が共演してみたい、という気持ちがあった事と、元々、葉加瀬太郎さんの曲、「情熱大陸」がすごく好きで、以前からストリートでも叩いてたんです。それらの想いやこれまでの積み重ねが実を結んだ形ですね。ハラミちゃんもストリートピアノとして以前からリスペクトしていました。

それからストリートライブでは基本的に誰でも自由に叩いていいよ、っていうスタイルでやっているので、ハラミちゃんや葉加瀬太郎さんなど有名な方に限らず、一般の方にも自由に参加してほしいな、という想いがあります。経験の少ない方も、子供でも、どんな方でも色んな可能性がある訳で、一緒にやってみて私自身、凄く感動したり、動画として公開するととても多く再生されてたんくさんの人に観てもらえる事もあるので、そういうところがストリートの良さ、コラボの楽しさなのかな、と思っています。


【モチベーションの保ち方】

― リエイさんのその突破力はどこからくるのでしょう。

リエイ:実は私、結構モチベーションの上がり下がりが激しくて、何か目標を決めないとダラーっとしちゃうんです。今回も「47都道府県制覇」という目標を掲げて、その時々で自分の中でテーマを決めるようにしています。大きな目標よりも、一つずつ目の前にある目標を確実に達成していく、といった感じでしょうか。

―ネロ 何か、自分を奮い起こす時に決まって行う事とかあるのでしょうか。

リエイ:そうですね、でもファンの、みんなの声を改めて聞く事かな。みんなが期待して待ってくれている、そういった実感がやっぱり私の一番の原動力なんだろうなって思います。お手紙やSNSでのメッセージだったり。

カイム:「47都道府県制覇」も、企画を始めた直後にちょうどコロナ禍の時期と重なって。実は一旦は見送りになったんです。でも少し緩和された時期に、”やっぱりやろう!” 一度決めた事だし必ずやりきろう。何度も見送りにするのは避けたい、決意をもってやらないと。そう二人で励ましあいながら始めました。そういった覚悟は常に持っていると思います。

―ネロ そうでしたか、いや、我々も見習わないと。

―Kayo 本当に。

【ツアーの醍醐味】

―Kayo ツアー中は全国津々浦々、美味しいものを食べたり、観光名所をお二人で見に行かれたりされるんですか?

リエイ:そうですね、できる限り観光したい気持ちは常にあります。ただ、どうしてもスケジュール上限られてしまいますね。食事もできる限りご当地の美味しいものを食べるようにはしてますけど、予算も限られているので節約もしないといけません。

【ドラムとの出会い】

― ドラムのテクニックを身につけた経緯でしたり、ドラムとの出会いは、いつ、どのようなきっかけだったのかを教えてください。

リエイ:ドラムとの出会いは中学時代の部活なんです。ビッグバンドですね。ビッグバンドの部活が存在すること自体、名古屋では珍しいかもしれません。ジャズのビッグバンドは比較的、吹奏楽よりも少し激しめというか、曲ごとの雰囲気を楽しむ感じでしょうか。吹奏楽はより楽譜に忠実に演奏するイメージがありますね。あと幼稚園からピアノを習っていました。実はピアノも10年ぐらい続けてたんです。でもピアノは全然上達しなくって、ドラムと最初に出会ったときに、あ、私はピアノよりもこの楽器があってる、って自分ながらに感じたんです。でも今思い起こすと、その前から手だけでドラム演奏を真似たりしてましたね(笑)部室にドラムが置いてあって、もう絶対やろう!って(笑)

私のドラムの基礎が培われたのは学生時代のビッグバンドでしょうね。先輩から教わったり独学だったり。好きでやっていた事なので苦労した思い出はあまりないんですけど、今考えると相当な練習量だったと思います。カイムはその部活の一つ上の先輩なんです。(カイムさんと目を合わせる)

様々な大会に出場するような部活で、当時、一学年上の先輩達にドラムがいなかったんです。それで自分がやるしかないっていう焦りもあって、そのプレッシャーの中とにかく練習して、そういった状況の中でいつしか上達したのかな。それからは色んなドラマーを見て学んで、専門学校でよりたくさんのジャズに触れて、更にドラムが好きになって今に至ります。

―Kayo そうだったんですね!カイムさんはパートは何でしょう?

カイム:私はトランペットを演奏します。

リエイ:今でもたまに演奏するよね、去年のツアーファイナルでビッグバンドのメンバーとして参加してくれました。

―ネロ 部活でビッグバンドに出会えるなんて、その環境、羨ましいなあ。お二人とも、今でもビッグバンドで演奏することもあるんですか?

リエイ:学生時代、自分が関わってきたバンドを中心に、中高生を集めて一緒に演奏することがあります。私自身、良い刺激をもらっています。

【リエイさんの音楽ルーツ】

ーKayo ジャンル問わず様々な曲を叩かれますけど、本来のリエイさんの音楽のルーツや、例えば鑑賞する上でお好きなジャンルはありますか?

リエイ:私のルーツでもあるビッグバンドのドラムって、とにかく手数が多いんですよね。ロックだと、ビートで「ツッツッターン、ツッツッターン」っていう定番のドラムイメージがあると思うんです。でもジャズは細かくとにかくたくさん叩く、みたいな解釈があって、それが私のドラムスタイルの軸になっている事は間違いないですね。どんな曲でも、どうしても手数を入れがちになってしまって、聞く方によっては“それはドラムじゃない”みたいな事を言われることもあります。

カイム:リエイが原曲を少し崩して叩いたりすると、“勝手にアレンジしないで欲しい”というご意見をお聞きする事がありますね。

リエイ:ドラムの一つのイメージとして、 “ビートを刻む”という事、それとジャズのドラムイメージとではお世辞にも同じではないですからね。

―ネロ 僕は最初に聴かせていただいた時にその手数の多さが良い意味でとても印象的でした。リエイさんならではの手数の多いアレンジ自体もそうですけど、音の強弱や、例えばスネアのダブルストロークのきめ細かさや、聞いていてとても心地よくて。

リエイ:ネロさんはジャズ寄りなんでしょうね。逆にすごくロックのバンドマンの方だとあまり良い印象をもっていただけない事もあるんです。もちろんドラムプレイに限った話ですけどね(笑) 私の場合、ジャズに限らずいろんなジャンルを経験してきて、ジャズが根底にありながら、たくさんのジャンルの良い部分を自然に吸収してきたんだと思います。それにどこかドラムに激しさも求めていて、それが私流、なのかな。

次会へ続く・・・

リエイ
(ストリートドラマー)

【X.com】@drummerie_xi
【youtube】https://www.youtube.com/@RIEI_Drummer

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interviewer Kayo / writer ネロ