『白衛軍 The White Guard』舞台風景と劇作家/出演者コメントを一挙公開!

『白衛軍  The White Guard』舞台写真

(左から)上山竜治、内田健介、村井良大、石橋徹郎、前田亜季、池岡亮介、大場泰正

(左から)上山竜治、村井良大、前田亜季、内田健介、池岡亮介、石橋徹郎、大場泰正

(左から)上山竜治、前田亜季、村井良大、池岡亮介、大場泰正

【撮影:宮川舞子】

『白衛軍 The White Guard』コメント

上村聡史(演出)
14年越しに念願叶い、『白衛軍』を上演することができました。百年前のウクライナの話ということで日本での上演は無理かと思っていましたが、悲しいかな時宜にかなった公演になりました。
その今現在を想う嘆きと、ロシア革命後のキーウを懸命に生きる登場人物たちの息づかいが重なり、劇空間は、いくつもの感情に溢れ、貴重な上演になったことを強く噛み締めています。
カンパニーの皆が、ブルガーコフの戯曲に込めた願いに触発され、力をぶつけあい、作り上げました。これからは、観客の皆様の想像力と共に、劇場が一体となって、より作品を深めていきたいと思います。

村井良大(ニコライ役)
『白衛軍』の幕がついに開きました。
まずは無事にお客様へ届けられる事を幸せに思います。そして観ていただいた方は分かると思いますが、シリアスなシーンだけでなく、キャラクターの可笑しい部分で笑っていただくことのできる作品でもあります。
戦時中の物語ではありますが、そこにある日常を送る人々の呼吸を楽しんでいただけたら。
そして新国立劇場のセットを贅沢に使った演出に圧倒されます。
まだ迷われている方は是非、劇場へ足をお運びください。

前田亜季(エレーナ役)
物語へ没入していただけるよう、スタッフキャスト気持ちを一つにしてお届けしたいと思います。
100年前にブルガーコフが描いた、厳しい状況の中でもユーモアを忘れずに生きる人々。皆でテーブルを囲む夜食の場面では、様々な人の交流の中に、ブルガーコフの人間に対する愛を感じられ好きなところです。中劇場ならではの大きな舞台転換も物語への効果と共にぜひ体感していただけたらと思います。
世界中で起きている戦争が終息することを祈りながら、今は真摯にこの作品に向き合いたいと思います。

上山竜治(レオニード役)
稽古が進むにつれ新たな解釈がどんどん生まれていき、戯曲が持つ背景に魅了されながら、翻弄される稽古の日々でした。
観客はどう見て下さるのか、、予想ができなかったのですが、お客様の笑い声や反応、拍手に報われながらも、千穐楽までしっかり務めなければと、改めて身が引き締まりました。
激動の時代の中で、現実を受け止めながら先を見据えて、"愛する人"を全力で愛するレオニードと言う素敵な役を、愛を持って演じさせていただきます。
ぜひ劇場でお待ちしております。

『白衛軍 The White Guard』
【公演日程】 2024年12月3日(火)~22日(日) 
【会場】 新国立劇場 中劇場

【 作 】 ミハイル・ブルガーコフ
【英語台本】 アンドリュー・アプトン
【翻訳】 小田島創志
【演出】 上村聡史
【出演】 村井良大 前田亜季 上山竜治 大場泰正 大鷹明良
池岡亮介 石橋徹郎 内田健介 前田一世 小林大介
今國雅彦 山森大輔 西原やすあき 釆澤靖起 駒井健介
武田知久 草彅智文 笹原翔太 松尾 諒

【公式HP】 https://www.nntt.jac.go.jp/play/the-white-guard/

Introduction
二十世紀ロシアを代表するウクライナ出身の作家、ブルガーコフ。彼の代表作『白衛軍』は、ロシア革命直後の1918年のキーウを舞台に、時代に翻弄されるひとつの家族を描いた作品です。『白衛軍』は1924年、小説として初めて発表され、1926年に作家自身が戯曲『トゥルビン家の日々』としてモスクワ芸術座で上演。「第二の『かもめ』」と評され成功を収めました。

1924年に小説として発表してから、記念すべき100年を迎える今年、新国立劇場では、2010年に英国のナショナル・シアターで上演されたアンドリュー・アプトン版に基づき、12月3日(火)より中劇場にて上演いたします。
この物語で描かれる内戦の混乱は、今ウクライナで起きていることに地続きでつながっており、まさに今、時宜を得た公演といえるでしょう。演出の上村聡史と、19名のキャストが贈る、時代のうねりの中を生きた、ある家族たちのドラマにどうぞご期待ください。

/ あらすじ /
革命によりロシア帝政が崩壊した翌年──1918年、ウクライナの首都キーウ。革命に抗う「白衛軍」、キーウでのソヴィエト政権樹立を目指す「ボリシェヴィキ」、そしてウクライナ独立を宣言したウクライナ人民共和国勢力「ペトリューラ軍」の三つ巴の戦いの場となっていた。
白衛軍側のトゥルビン家には、友人の将校らが集い、時に歌ったり、酒を酌み交わしたり…この崩れゆく世界の中でも日常を保とうとしていた。しかし、白衛軍を支援していたドイツ軍によるウクライナ傀儡政権の元首ゲトマンがドイツに逃亡し、白衛軍は危機的状況に陥る。トゥルビン家の人々の運命は歴史の大きなうねりにのみ込まれていく……。