ハープ奏者 / Nana(ナナ)、往年のゲーム音楽をハープで奏でる動画配信で注目を集める。その柔らかな音色は、懐かしさと新鮮さが同居し聴く人に感動と癒しを齎す。藝大と東大で音楽と言語を学び、自らの「好き」を原動力に表現を重ねてきたNana、音楽との出会いから現在の活動、その歩みと想いを語っていただきました。

――― ハーピストとして動画配信を中心に活躍されているNanaさん、特に往年のゲームタイトルの楽曲を多く取り上げられているようですけど、その理由や、ハーピストとしてのこれまでのご経歴、また音楽との出会いに纏わるお話など、お伺いできればと思います。
Nana:よろしくお願いします。私が動画投稿している楽曲は、どれも私が今までの人生で思い出深いゲームの音楽ばかりです。曲を演奏するだけで、プレイした時の情景や感情が蘇ってくるので、演奏動画を撮影する時はいつもゲームの思い出をなぞりながら演奏しています。
― Nero それで、気になっていたことがあるんです。それらのゲームタイトルって僕達世代が発売当時に遊んでいたタイトルが殆どなんですよね、世代的な違いはあるはずなので、どういう事なのかなって。
Nana:たしかに、私が生まれる以前に発売された、いわゆるレトロゲームのBGMも演奏していますが、そういったものはもちろん当時プレイしていたわけではなく、大人になってから遊んで好きになったものが多いです。今はファミコンやスーパーファミコンなどのゲームタイトルがNintendo Switchや、スマホアプリで配信されているものもあるので、そういったプラットフォームでプレイしました。
― Nero なるほど、そういう事なんですね。やっぱり往年のタイトルは時代を越えても好まれて、ゲーム自体も音楽も、語り継がれていくわけですね。
Nana:そうですね、昔のゲームでもあっても、その面白さや音楽の魅力が全く色褪せずに、いまプレイしても感動してしまうようなものもたくさんあると思います。

― Reiko それにしてもNanaさん、今日お会いした時から、本当にお綺麗な方で驚きました。人前に立つお仕事は音楽だけなんですよね?
Nana:そんな、ありがとうございます。そうですね、人前に立つ仕事は音楽活動だけです。
――― ハープはいつ頃から始められたのでしょうか。幼少期の思い出も含めてお聞かせいただければ。
Nana:音楽自体はピアノを幼少期から弾いていました。その頃からピアノを弾くのはいつも楽しくて、高校の時はピアノ科に通っていました。でもハープを始めたのは大学生の頃なんです。
― Nero では大学でハープを専攻していた、というわけではないんですね。
Nana:そうですね、ハープは大学とは別に、友達に勧められて始めたんです。大学は東京藝術大学の楽理科という音楽史や音楽理論、音楽美学などといった、音楽学を学ぶところで、その時点ではハープとの関わりは殆どありませんでした。
― Nero そうなんですね。そうすると藝大の楽理科を受験した経緯は別のところにあったと。
Nana:はい。高校まではピアノ科でしたが、音楽の構造や成り立ち、哲学的な側面にも興味があったので、大学ではもっと幅広く音楽を学びたいと思って、藝大の楽理科を受験しました。
― Reiko 本当に多才なんですね。
Nana:いえいえ、ピアノは弾いていて楽しかったですけれど、色々なことを勉強するのが好きだったので、せっかくアカデミックに大学で専攻するなら音楽学をと思いました。
― Nero 藝大の楽理科の受験では、実技の試験もあるのでしょうか。
Nana:指定された楽器から1つ選んで演奏する試験や、ソルフェージュの試験がありました。あとは、英語、和声、音楽に関する小論文の試験でした。
― Nero 国立大は一般的にはセンター試験の受験が必須ですよね。今はセンター試験とは呼ばないのかな、世代が分かってしまいますね。笑
Nana:いえいえ、私もセンター試験です。笑 楽理科の場合は、センター試験も重要でした。
― Nero そして、Nanaさんは藝大卒業後にもう一度、大学に行かれてるんですよね、東大に。
Nana:はい。東京大学では、言語学を専攻していました。
― Nero 両校とも強い意志と努力があってこそ入学できる大学だと思います。何か目的というか、「これを成し遂げないと」みたいな特別な思いが当時からあったのでしょうか。それとも、好きなことを追求していって、その結果で今に至る、という感じでしょうか。
Nana:そうですね、今のご質問では後者だと思います。私の場合、自分の興味があるものを、好きだからこそやってみたいという感じでした。これを習得しないといけない、といった感覚はこれまで感じた事はありませんでした。両親からは、とにかく興味があればやってごらんと、習い事はたくさん通わせてもらいました。音楽系以外だと、バレエ、水泳、ゴルフ、書道など。本当に自由にさせてもらっていたと思います。学校も、自分に合わなければ行かなくていい、そんな風に言ってくれる両親で。
― Nero そのご両親の教育のもと、藝大と東大を卒業するに至ったわけですよね…。
Nana:本当に両親には感謝しています。両親のおかげで、何が自分に合っていて、何が好きなのかを気付けて、やりたいことを好きなだけ追求する考え方が身についたのだと思います。ピアノはその当時から好きでした。母がクラシックが好きで、よくCDを一緒に聴いたり、演奏会に連れて行ってもらったり、色々な曲を聴く機会がありました。そういう時に「この曲が好き!」と感じる楽曲を探しあてた時は本当に嬉しくて。
音楽以外でお話すると、本を1人で読むことが好きでした。結構、夜中までとか、明け方まで本を読んで、朝起きられなくなって学校に行かない、みたいな事もありました。そういう時も叱られることなんてなくて、むしろ褒めてもらっていました。
― Nero ゲーム、ではなく読書ですよね、それはまだ正当な理由というか、もちろん遅刻しない方が良いですけどね。笑
Nana:はい。笑 でもゲームも好きで、特にポケモンはずっとやってました。金と銀。ご存じですか?
― Nero ゲームボーイですよね。
Nana はい、そうです。読書やゲーム、家で1人で過ごしていた時間が多かったと思います。
― Nero 本はどういう感じの本でしょう、小説とか?
Nana:小説ですね。小学生の頃はハリーポッターみたいな児童文学でした。それと哲学系の本もすごく好きでしたね。小学生でも何とかよめるように、哲学書の内容をわかりやすく解説したものとか。
― Nero 小学生で哲学書…、ハリーポッターは流石に洋書ではないですよね…。
Nana:はい。洋書は流石に大学生になってからです。笑
― Nero 小学生にして哲学書が好きという感性は、何か哲学書に興味を持つ特別なきっかけがあったのでしょうか。
Nana:特に覚えてないんです…、なんだろう。でも、小さな事でも疑問を持ちやすいタイプだったみたいで。よく色々な質問をする子だったみたいです。哲学の基本は、この世界のありとあらゆる事象に対してなぜだろう?と考えるところなので、そういうところから自然と哲学に興味を持つようになったのかなと思います。あと洋書と言えば、語学の勉強もすごく好きでした。
― Nero 高校では音楽を専攻されていたんですよね、その頃から、ご自身で音楽の道に進む、という考えがあったのでしょうか。
Nana:それは全くなかったです。本当に「ただ好きだからやってみる」という感じでした。両親からも将来の仕事について特に聞かれた事もなくて。世間知らずと言うのでしょうか、自分が、いつか仕事をする、という感覚もないまま、好きなことをやっている、みたいな。
― Reiko Nanaさんの幼少期、多分、雰囲気が今とそんなに変わっていないのではないでしょうか。
Nana:あ、それは、よく言われます。笑 小学校以来会っていない友達からも、偶然YoutubeでNanaちゃんの動画を見たけど、全然変わってなくてすぐわかったよ、と連絡をもらいました。笑

【現在のご活動について】
― Nero 今現在のご活動のスタイルは、以前から「好きでやってみたいな」と思ったものを続けきて徐々に確立されたものなのか、それとも仕事として捉えて、こういうスタイルで活動していきたいなと、明確にイメージしていたものなのか、どちらでしょう。
Nana:そうですね、YouTubeは、最初から活動を明確にイメージしていたという感じではなかったかもしれません。元々音楽の演奏動画を見ること自体は好きでした。世界中で様々な人達が自分の思い入れのあるゲームの音楽を演奏している動画を色々見ているうちに、私もハープで感動をたくさんの人たちに与えることができたら嬉しいなと。
― Nero 感動を受け取る側から与える方へ、ご自身が好きなものを共有したいというお気持ちから、Nanaさんの中で「楽しいな」と思うものが自然とご自身の活動に繋がっていくわけですね。
Nana:本当にそうですね。自分の好きなゲームの、好きな曲を演奏することで、蘇ってくるゲームの思い出も含めて、“楽しい”という気持ちを大事にしながら動画を投稿しています。
― Nero それに動画のクオリティがとても高いなって。ご自身で作成されているんですよね。現在も日毎に視聴者数は増え続けているわけですけど、今後の配信も含めて、何か考えている事はありますか。
Nana:そうですね。最初のうちは動画編集が得意な友達に教えてもらいながら、今も毎回試行錯誤して作成しています。最初は自分が好きなものを共有する感覚で始めたので、たくさんの方が見てくださるという事を想定をしていなかったんです。100回くらい再生されればそれでいいかなって。投稿のペースも自分の好きなペースでやっていました。でも最近はコメントを頂くことも増えてきて、皆さんに見ていただいている実感があります。今後、そういった皆さんに何かの形でお応えできればいいなと思っています。
― Reiko ファンの皆さんはきっと喜びますね。
Nana:そうですね。もうちょっと投稿のペースをあげたいという気持ちもあります。私の演奏で元気が出たり、癒されると言う方が増えてくれるのは私もすごく嬉しいです。

― Nero 動画配信の活動自体、そんなに経ってないと思いますけどこの注目度、これからのご活動が本当に楽しみです。動画配信でのバリエーションも、さらに増えていく感じでしょうか。
Nana:嬉しいです。やっぱりゲーム系の音楽が好きなので、これからもいろんなゲームの音楽を取り上げていきたいです。それからクラシックの曲も、今後、投稿してみようかなと思っています。ドビュッシーとフォーレとか、結構、フランスの作曲家はハープの曲を書いているんです。ライブ配信もやってみたいなって思ってます。
― Nero ステージに上がる、というのはどうでしょう。ファンの方達はNanaさんの演奏をライブで聴きたい人も多いと思います。でもハープは楽器の大きさから、ステージに持ち込めるものなのでしょうか。
Nana:はい、ハーピストの中には自分で持ち込む方もいます。でもグランドハープは高さ190cmくらいあって、かなり大きいので、大体は業者さんに頼む事になると思います。例えば結婚式場で演奏する仕事の場合、その会場にはハープが置いてあるのでそのまま演奏できるんですけど、自分でコンサートを開く場合は運搬する必要がありますね。
でもライブはとてもやってみたいです。機会があれば今すぐにでもライブで演奏したいですね。
― Nero 190cmですか、確かに持ち運びは容易ではないですね…。ハープも基本的にはピアノのように、左手が伴奏、右手で主旋律を弾く感じなのでしょうか。
Nana:はい、そうです。ピアノと同じ感じで、右手が高いところの主旋律で、左手が低いところの伴奏です。あと、ハープはそのまま指で弾きます。爪のようなものはつけないんです。なので豆ができたり、指の皮が固くなってしまったりします。アルパという、パラグアイで弾かれているハープなら爪を使って弾いたりするんですけど。爪で弾くと結構明るくて硬い音になって、指だともっとまろやかな柔らかい感じの音になります。あとハープはピアノと違い、小指以外の4本の指で弾きます。指の形的に小指は少し弾きづらいんです。
― Nero なるほど。それにしても配信されている楽曲では、たくさんアレンジされてますよね。例えば「マザー」の曲のラストの部分とか。いくつも音を重ねて盛り上げて終わるみたいな。ああいった部分はハープならではでとても良いなって。即興でやられてるんですか?
Nana:そうですね。弾きながら考えたりとかもあります。マザーのラストで使っているのは、グリッサンドという技法なんですけど、ハープならではの美しい響きが出せるので、よく使われる技法です。
― Nero グリッサンド、と呼ぶんですね。間近で聞いたら凄い迫力なんでしょうね。あれだけたくさんの太い弦が鳴っていて、ミュートも大変そうです。手全体で押さえるんですよね?
Nana:そうですね。手全体で弦を直接押さえます。ハープはそうでないと鳴りっぱなしなので、それがピアノと違うところです。一回弾くと、ずっと鳴り続けます。なのでハープはスタッカートとかやりづらいんです。それにハープは大きな楽器なので、当然、重さもあります。肩に乗せて一応安定させてはいるんですけど、基本的には膝にほとんどの重さをかけています。

― Nero そもそも、大学でハープを専攻されていたわけではなくて、どのように学ばれたのでしょうか。ずっと独学で?
Nana:はい。チェロ専攻だった親友のお母さんがハープ奏者だったんです。「Nanaちゃんはハープをやったら似合うんじゃない?」と、小さいアイリッシュハープを譲ってくれたんです。それから独学で弾いていました。その後、フランスに留学していた時期に、たまたまグランドハープの奏者の先生と出会って、そこから本格的に習いました。留学していたのは東大に通っていた際の交換留学先のストラスブールという、ドイツとの国境にある街なんですが、すごく可愛らしい街並みで、私の大好きな街です。フランスの大学は長期休みが元々多く、さらにデモ活動で1ヶ月くらい大学が封鎖されている期間もあったので、笑 その間はハープの練習がたくさんできました。その時に、フランス国内で行われたコンクールにも挑戦しました。留学を終えて日本に帰ってきてからも、フランスの先生に紹介していただいた先生に習っていました。留学中は、ストラスブール大学で音楽学を勉強していたのですが、それを終えて東大では再び言語学を勉強しました。
― Nero 言語学というと、具体的にどういった事を学ぶのでしょう。確か音声学や音韻論も同じ分野ですよね。
Nana そういったものも勉強しましたが、私が特に学んでいたのは、言語自体の構造や構文について考える分野でした。文学作品などの言語でできたものを学ぶというよりも、言語の使い方とか意味とか、そういうイメージです。私にとって言語学は音楽と無関係というわけではないと思っているんです。言語の意味と音楽の意味も、結構繋がりがあると言いますか。好きなのが認知言語学という分野です。例えば、「グラスの中に水が半分しかない」と言うのか、「グラスの中に水が半分もある」と言うのか、みたいに、人の認識によって使う言葉が変わったり、事象の捉え方によって言葉の意味が変わるというのが好きなんです。音楽も、同じ音であっても前後の音の流れの文脈によって悲しく捉えられたり、嬉しく捉えられたり、と意味が変わっていったりとか。そういう「意味ってなんだろう?」と言うところに興味があって、それは音楽や哲学、言語の興味に共通しているのかなと思います。
― Nero それから東大を卒業されて、企業への就職は検討されなかったんですよね。いくつか就職先の企業を見ていた、とかもなく?
Nana:それが全然なくて。ただ、「卒業したな〜」っていう。笑 学生の頃からDTMで作曲をしていたので、それをBGMの販売サイトで販売したり、インディーゲーム開発者にゲーム音楽を提供したりしていました。色んなジャンルの曲を作っていましたが、ハープメインの曲も作っていました。やっぱりハープの曲を作曲するのは楽しくて、オーケストラの曲を作るときはハープのパートはいつも入れていました。その頃はまだ録音技術があまりなくて、ハープも打ち込みの音しか使えませんでしたが、これからは録音して入れてみたいと思っています。あわせて自分の好きなゲーム音楽のアレンジもすごく楽しくて。あとはハープを結婚式場で演奏したり、演奏活動は学生の頃から続けていたので。その延長で、卒業もしたことだし、「さあ本格的に動画を撮ってみるかな」という感じで動画投稿を始めました。
― Nero 今のお話で、活字にしても音楽にしても、捉え方次第でその人の中で郁容にも変換されてしまうわけで、特に情報過多な昨今、飛び交う情報や人の見解で、捉え方次第でかなり偏った受け取り方をしてしまう事も少なくないと思います。Nanaさんは音色や言葉、それ自体がもつ意味や齎す影響について探求されてきたからこそ、ご自身がハーピストとして生み出す音色は、聴く人にとって疑いもなく勇気を持てたり、一歩踏み出せるきっかけとして伝わるのでしょうね。
Nana:すごく嬉しいですね。私自身、聞いて下さる人たちに少しでも何かを与えられたらと思います。「癒したい」というと少し烏滸がましい感じもするんですけど、「癒やされた」というコメントは何より嬉しいです。

「ゲームについて」
― Nero ゲームタイトル「マザー」は実際にプレイされたのですよね。ちなみに僕は初代の発売当初に買って遊びました。ファミコンです。笑
Nana:リアルタイムですか、それは羨ましいです。私は三年くらい前にNintendo Switchでプレイしましたが、「マザー」はノスタルジックな中にユーモアがたっぷりある世界観に音楽も本当にマッチしていて、大好きです。ゲームはやっぱりすごく好きで、ここ数年はゲームばっかりしています。笑
― Reiko お好きなたくさんのゲームタイトル、それがハープの演奏に繋がっていくわけですね。
Nana:そうですね。ゲーム音楽は、クラシックなどの音楽単体の作品と違って、実際に自分でゲームをして、この場面でこの音楽が使われている、みたいにゲームのプレイ体験と音楽が強く結びついているのが特徴的だと思います。音楽だけ聞いても、当時の記憶が強く呼び覚まされるので、そんな特別な感覚をもたらしてくれるゲーム音楽というものは、音楽の中でも特別な位置づけにあると思います。
― Nero ゲーム音楽の場合、実際にそのゲームを体験した人はより感慨深く視聴できるでしょうね。もちろんそうでない人もその楽曲やゲームタイトルを知るきっかけとなる訳で。ではこれまでの動画配信の選曲は、ゲームをプレイされた上で制作されたものが殆どなのでしょうか。
Nana:殆どがそうですね。昔遊んで好きだったゲームや、最近夢中になっているゲームから、特に好きな曲を選んで演奏しています。その中には私自身も、先に楽曲を聴いてゲームタイトルを知ったのが先だったタイトルもあります。「クロノトリガー」はそうでした。数年前に初めてプレイできたのですが、音楽を先に聴いていたので、この曲はここの場面で聴けるんだ、と感動しました。私は音楽が素敵だからそのゲームに興味を持つということも多いです。たまに私のゲーム音楽の演奏動画でそのゲームを知って、プレイしました、というコメントをいただけるのが、本当に嬉しいです。
「今後の活動」
―― 今後、予定されている動画配信でのゲーム楽曲以外の選曲や、また今時点で教えていただける Nanaさんの演奏を直接、聴ける機会はあるのでしょうか。
Nana:そうですね、次はなんだろう、ジブリの曲が弾きたいです。リクエストもいただいているし、私も好きだし。弾いて投稿しようかなと思っています。ライブはまだ具体的には決まっていませんが、やってみたい気持ちはあります。ゲーム楽曲ももっと追及していきたいです。一つのタイトルでもたくさん好きな楽曲が詰まっていたりするので。例えば「ファイナルファンタジー」はそんなに投稿できていないので、まだ色々弾きたいなって曲はありますね。
― Nero ファイナルファンタジーの「プレリュード」の音色は、オリジナル曲もハープですよね。
Nana:すごく綺麗な曲ですよね。当時はハードの制約で生録音の音源は使えなかったので、まだ打ち込みの音源でしたね。
― Nero そうか、8bit音源ですもんね、笑 今考ると、それでこれだけインパクトのある楽曲を表現していた、凄いことですよね。でも、実際にハープで再現される方ってあまり見かけない気もしますが、実際どうなのでしょう。
Nana:海外のハープ奏者の方が投稿している演奏動画では結構、弾いている方は見ますけど、日本では少ないような気がします。
【FORTIS読者へのメッセージ】
― Reiko Nanaさん、髪が凄く艶やかで。私も数週間前までロングだったんですけど、そんなに綺麗じゃなかったな。どういったケアをされているのか気になります。
Nana:いや、そんなにしてないんです。多分髪質がストレートだからかな、シャンプーとか何を使っても、同じ感じになるんです。ドライヤーで乾かすくらいしか…ケアはしてないです。巻いたりしている人に憧れます。
― Reiko でもストレートがとてもお似合いですからね。食事とかも気を付けてますか?
Nana:特にはなくて、ファストフードもよく食べます。笑
― Reiko お菓子とかも?
Nana:食べます。笑
― Reiko やっぱ生まれ持ったものなんですね、この美は。
Nana:ファストフードもそうですけど、ラーメンもすごく好きです。昨日も東京の好きなラーメン屋さんに行きました。本郷三丁目にある「瀬佐味亭」っていう担々麺のお店なんですけど。ジャズが流れてて、女性でも入りやすい感じのお店で。
― Nero 行ってみたい、本郷三丁目だと、確か東大から近いですよね。
Nana:そうなんです。東大の目の前なので、大学の時は毎週行ってました。笑 担々麺がおすすめです。胡麻たっぷりで。
― Reiko ご自身もお料理がお好きと伺いました。よく作られるんですか?
Nana:はい。特にお菓子作りが好きで、小学生の頃からプリンとかよく作っていました。あと、パンを作るのが好きですね。メロンパンとか作ってます。作るのも食べるのも好きで、よくカフェ巡りもしています。今は京都に住んでいるので、候補がたくさんあって。関東から友達が来た時は、色々、一緒に巡ってます。
― Nero メロンパン、て家で作れるんですね、笑 基本的に好き嫌いはないのでしょうか。
Nana:そうですね。なんでも好きですし、お酒も好きです。フランスでは毎日ワインを飲んでいました。スーパーで2,3ユーロくらいですごく安かったので。友達とルームシェアをしていたので、みんなで1本を分け合って飲んでいました。選ぶときはとにかく甘いワイン、「甘い」って書いてあるのだけ買ってます。笑
― Reiko Nanaさん、とても朗らかで、たまにイライラみたいな、怒りの感情ってありますか?
Nana:それは結構いろんな人に聞かれます。でも、確かに怒るっていう感情はないのかなって。普段、怒ることはないですし、モヤっとすることがあってもすぐ忘れるから…。

― Nero 今、新たに勉強されている事とか、これから学んでいきたいことはありますか?
Nana:そうですね。最近は音楽療法に興味が出始めて、心理学系のことをアカデミックに学んでみたいなという気持ちはありますね。自分の演奏にも少しずつ取り入れていきたいと思っています。
― Nero YouTubeで、長い3時間くらいの再生時間で「よく眠れる」とか、リラックス系のものは見かけますよね。でもそれらの類のものが殆どのような気がしていて。実際の演奏で、その中に音楽療法を織り交ぜる配信は新鮮でしょうね。
Nana:はい。そう思ってます。音楽療法の現場は一方向の演奏というよりも対人セッションなどの参加型のものも多く、そういうものはYoutube上では難しいと思いますが、理論的なことなど私の動画投稿にも何かしら取り入れられたらと思います。
― Nero 音楽に救いを求めている方は多いと思います。もしくは自分でも音楽を始めたい、何かにチャレンジしたいと思っている人もいるでしょう。そういった方や、この記事を読んでいただいた人達に、Nanaさんからお言葉をいただければ。
Nana:はい。私の演奏動画をみて、ハープを始めたい、実際に始めましたというコメントをいただくこともあります。私も最初の頃はハープの響きがすごく好きで、難しい曲は弾けなくても、自分の心地よい、嬉しく感じる音色を探して毎日楽しんでいました。ハープに限らず、楽しんで音楽を演奏することが日々を豊かにしてくれると思います。もちろん音楽を始めなくても、私が弾いている楽曲やゲームにも興味を持ってもらって、ゲームとその音楽の体験をたくさんの人と共有できたらとても嬉しいです。さらに私の演奏で、みなさんの中で心が動くような瞬間が少しでもあったら嬉しいです。いま辛い状況にいる方が前向きな気持ちになれたり、不安な気持ちが落ち着いたり、私の動画を通して、そういったポジティブな心の変化を受け取ってもらえたらすごく嬉しいと思います。